2008/08/02

百万円と苦虫女

2008.8.1

 監督:タナダユキ
 出演:蒼井優、森山未來

 蒼井優という人は自然体で百面相を見せてくれる女性、とは言い過ぎだろうか?
 演出の意図も感じられない(これは演出者に対する苦言)優ちゃんのアップが多用されているが、湯船から顔だけがポカンと出ているだけの場面であっても、すべて違った表情に感じられ異なる空気を作ることができる存在感はスゴイものだと感心させられます。
 ──1〜2年前に感じた30代女優(だよね?)の開き直りと言ったら失礼ですが、松嶋菜々子や竹内結子がさらけ出すことで響いてくるような「素の顔」や飾りっ気の無さを、この年(22歳?)で見せつけてしまっては、この先どうなっていくのだろう……

 作品としては、どうも意図したユーモアも伝わって来ないので困るのですが、地方の山村の人たちが「癒されるとか言ってのぞきに来るだけで、都会の人間は何も助けてくれない」と、都会人への不満をぶちまける場面と、いじめにあった弟がくじけず立ち向かっていこうとするところ、くらいだろうか。
 ──カメラに背を向けた三つの背中が山の手前に並んだ「絶対に絵になるショット」のはずが、力が足りないと感じたのはなぜなのか考えてみたのですが、男性の描き方の弱さかなぁ? ピエール瀧という人は存在感出せると思うのですが、生かされているように見えませんでした。

 まあ、蒼井優という女優を観ることが目的だったんですから、良しとしますか。

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