2016/02/15

スター・ウォーズ/フォースの覚醒

2016.2.1

 監督:J・J・エイブラムス
 脚本:ローレンス・カスダン、J・J・エイブラムス、マイケル・アーント
 音楽:ジョン・ウィリアムズ
 出演:ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ

 本作に接し、高校生時分に出会った第1作『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望:1977年』に熱狂したわれわれは、「スター・ウォーズ世代」であることに気付かされたが、いまやオヤジ世代となった観客も、同窓会のような「還暦 スター・ウォーズ」を拍手で迎えたのではないか?(ハリソン・フォード 73歳、マーク・ハミル 64歳、キャリー・フィッシャー 59歳)
 若かりし彼らが躍動したエピソード4〜6の後日談を同じ出演者で焼き直し、「歴史が繰り返す時の流れ」を表現するためには、38年という時間が必要だったようだ。
 「あなた(伝説の)ハン・ソロなの?」と問われ、「昔の話しだ…」と答えるハリソン・フォードの顔に、深いしわを刻み込んだ時間は、観る側が過ごしてきた時間の長さと等しく、年代は違っても同窓生のような「時の流れの共有感」に気付いた瞬間には、グッとくるものがあった。そんなアプローチをした作品があっただろうか?
 第1作のルークが、次作でオビ=ワン・ケノービ(アレック・ギネス)のような「師」となる(であろう)までの年月を、自身で「a long time ago…」と振り返っても青臭さしか感じないが、いつ見失ったかも覚えていない「未来を見つめる目」が、そこには確かに存在していた。そんな思いをたぐり寄せられれば老骨にムチ打てるはずと、自身のフォース(?)を覚醒させねば……

 ミレニアム・ファルコンの低空飛行の臨場感は見事。これまでのお姫様的ヒロインではない、たくましいデイジー・リドリーが次作で一層輝くことを楽しみに。
 ジョージ・ルーカスは断念するも、ルーカスフィルムを買収したウォルト・ディズニーによる新シリーズは、スター・ウォーズの世界観を客観視している(多くのフリークスタッフのアイディアが詰まっている)ようで、最終シリーズにふさわしい取り組みと感じられた。