2008/07/28

崖の上のポニョ

2008.7.25

 監督:宮崎駿
 声の出演:山口智子、所ジョージ

 テーマや目指すところは素晴らしいと思うのですが、あまりにも省略され過ぎているような印象を全編から受けました(上映時間の長さ的にはベストと思います。最近の映画は長すぎです!)。
 ポニョの家出の動機、フジモトが海に身を投じ古代魚再生を目指す理由、海(地球)のバランスと月との関係、そして根源となる「宗介大好き!」に至る心の動き等々……。
 また、登場人物の造形もこれまでの作品からの借り物(ポニョ:『となりのトトロ』メイ、リサ:『魔女の宅急便』おソノさん、おばあさんたちもそれぞれ…等々)ではないか、とすら感じてしまいます。
 宮崎さんは本作を集大成と考えていたのだろうか?
 だとしたら、これで「おしまい」にはできないんじゃないの!? という意地悪(?)なエールを送りたいと思います。

 瀬戸内海の鞆の浦(とものうら)で合宿をした成果は、舞台背景に見事に取り入れられており「あぁ、また行きたいなぁ!」との旅情をそそられたのは確かです。
 浦島太郎や人魚姫(日本にはない?)などの伝説がありそうな瀬戸内ではあるのですが、あの地域で起きた出来事が地球規模の異変を引き起こすほど大きなものにならんだろうなどと考えてしまい(瀬戸内海も広いのですが)、どうも鞆の浦という土地とダブらせて観てしまったせいで、他の人の見方とは違ってしまったかも知れません……
 鞆の浦近くに「阿伏兎(あぶと)観音」という崖の上に奉られたお堂があります(車では行けません)。
 個人的には、ここが崖の上の家のイメージなのではないか、と勝手に思っています。

 「ポーニョ、ポーニョ、ポニョ……」の主題歌が、何だか「メタボおやじと、中年おばちゃんのテーマソング」のように扱われる風潮にあらがえず、思い出し笑いをしてしまうわたしは、もう海底を覆うヘドロのような存在かも知れません……

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