2008.5.29
監督:石井克人
出演:草なぎ剛、マイコ、堤真一
清水宏監督『按摩と女』(1938年)のリメイクだそうですが、本作は間の悪さ、行間情景のスカスカさがどうにも埋められず、演出の力不足を考慮して脚本の変更をすべきだったのではないかと思ってしまいます(脚本・演出もオリジナルを踏襲しようという意図だったように感じられます)。
──堤真一が生きていませんもの。
そんな中でも特筆すべきはマイコの存在で、小津さんの映画を観ているのでは? と錯覚するような、戦前昭和の空気を醸し出してくれる落ち着いた雰囲気を持ち合わせていました。
鼻はちょっと高すぎるけれど、和服と走る姿が絵になる女性で、この女性は女優をやった方がいいんじゃないか? とも思えました。
──原節子さんも、最初は身体の大きさや顔の作りにとまどいを感じられた方も多かったと思われます。
出来としては「草なぎクンの主演作だから」の感想で伝わってしまう、と言ったら失礼ですが、そう言い切れてしまうのは演出の力不足であり、絵が安っぽく見えたのはプロデューサーの責任に思われます。
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