2007.03.24 バッテリー
監督:滝田洋二郎
出演:林遣都、山田健太、岸谷五朗、天海祐希
子どもって、こんなにも大変だったのか。
過ぎ去ってしまったことを忘れたわけではないのだが、「大人はもっと大変なんだ」という言い訳を振りかざして子どもたちを見て、接していることに気付かされた思いがした。
キャッチャーの天真爛漫な田舎のガキ大将の造形と主人公の弟の明るさが、ピッチャー(主人公)のうっ屈とした空気を振り払ってくれ、とてもいいバランス感だったいたと思う。
久しぶりに滝田さんの映画を観たが、野球センスを全面に出したキャスティング、細かなボールの握りへのこだわり、主人公の投球フォームとランニングの姿勢(背筋をピンと伸ばしていて型としてとても美しかった)へのこだわり、そしてCG造形の美しい球筋。陰陽師の経験が生きた技なのだと思う。
女性の原作者が、ここまでの野球賛歌を書き上げたのは驚きだが、それは単なる野球好きなどではなく、瀬戸内少年野球団にも通じる「チームワークを取り戻すための触媒」(ここでは家族)として、必要な題材であったことが伝わってくるところが素晴らしい。それにしても1,000万部(どういう集計?)とは驚きである。
天海祐希が足を伸ばして寝転がる場面での「開放感」は、まさに監督の狙い通り、役者は体を「有効に」使って表現するものだと納得させられた。
P.S. 久しぶりに当事者の方へ、ラブレター的なものを書けてホッとしました。
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