2007/01/04

犬神家の一族

2007.01.04 犬神家の一族
 市川崑さん最後の作品では、オールスターキャストで華やかなものを撮ってもらいたいし、その花道には「金田一耕助の去りゆく姿」こそふさわしい。などとこじつけがましいのですが、無事に新年ロードショー公開を迎えました。
 『切腹』の仲代達也、『木枯らし紋次郎』の中村敦夫、『股旅』の尾藤イサオ等々、往年の市川作品で活躍の面々も駆けつけ、正に大フィナーレにふさわしいにぎわいを呈していました。少々ろれつが回らない御仁も見受けられましたが、本作は作り上げることに意義があると思うので(失礼!)、それこそ声援を送っていました。
 若いころから、崑さんの映画が公開されると喜々として見に行ったものです。テクニックに走りすぎと言われようが、その絵は斬新でカッコイイとしか言いようがありませんでした。ガキの時分、紋次郎を真似ていたのと同じ視線であこがれ続けていたのかも知れません。
 「風の中へ消えていく」紋次郎ではなく、「天から舞い降りてくるかも知れない」金田一耕助の後ろ姿をラストに持ってきたのは、現在の素直な心境なのかも知れません。まぎれもない「ラストシーン」を万感の思いで見送りました。
 崑さん、ありがとうございました。

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