2007.07.16 憑神(つきがみ)
監督:降旗康男
出演:妻夫木聡、西田敏行、香川照之
こんな娯楽時代劇作りに、だいの大人たちが集まって真剣に遊んでいる姿を思い浮かべたとき「これが文化かも知れない」、そんな豊かさに「大人じゃなきゃできないよな」という老練の魅力を久しぶりに感じさせてもらいました。
──ブッキーがヒヨッ子に見えたもの(彼には絶対に勉強になってると思う)。
浅田次郎原作の枠組みは、結末から組み上げていったのではないか、と想像されます。
テーマは「日本人によるラストサムライの物語」、そして本来の題名は「死神に惚れられた男(侍)」というもので、そこに疫病神や貧乏神を付加していったのではないか? と思ったりしました。
仮にそんな具合にバラしたとしても、パーツがそれぞれ魅力的なので再度組み立てられるところが、作家の力量と言えるのではないでしょうか。
──ラストに浅田次郎を登場させても、映画は揺るがないという自信を持っているところがスゴイと思います。
とにもかくにも、全編から感じられる「遊び心」「軽い空気」を楽しんで観られたことが最大の魅力でしょう。
これを、今年の1位にしたいと言ったら、ひんしゅくをかってしまうだろうか?